スマホゲームにおいて
「あれ?この名前のキャラ別のゲームにもいたぞ」
って思うこと、ありませんか?
神話モチーフのゲームでなくとも、スマホゲーにはよく世界各国の「神話」の登場人物の名前が良く使われます。
「神話」はフリー素材化している、とも言えます。
(フリー素材とは:条件つきで無料で使える素材。当ブログで利用している「いらすとや」のいらすともフリー素材。)
「神話」のフリー素材化についての話をしようと思います。
そもそも神話の固有名詞知らねえよって人のための例紹介
神話?なにそれおいしいのって人のために固有名詞の例をあげていくことにします。
神話だけでなく「世界史の教科書によく名前が出てくる中世物語」も対象にしています。
ギリシャ・ローマ神話
ギリシャ語とローマ語の二種類読み方が存在する。メジャーすぎて逆に出てこないこともある…?
よく出てくる例:
- ゼウス
- ヘラ
- アレス(マルス)
- ハデス
- アテナ(ミネルヴァ)
- クロノス
- ヘスティア
- エキドナ
出てくる作品例:とにかく多数の作品に出てくる、むしろ出ていない作品を探す方が大変
北欧神話
おそらくギリシャ神話の次によく使われている神話。
人物名だけでなく怪物名もよく使われる印象があります。
よく出てくる例:
- ヴァルキリー/ワルキューレ(概念)
- オーディン
- ロキ
- フレイヤ
- 世界樹
出てくる作品例:ヴァルキリープロファイルなど多数
ニーベルングの指環
北欧神話をもとにして作られたオペラ作品。
よくヴァルキリーの名前が使われている。
- シュヴェルトライテ
- ヘルムヴィーゲ
- ジークルーネ
たいてい戦乙女が出てくるときは「ブリュンヒルデ」一人のときが多い印象。複数人出てくるときはこちらの作品に出てくる戦乙女が登場することが多い。
ニーベルンゲン伝説
神話ではありませんが、北欧神話に似たような固有名詞が出てきたりもしますので、一応。
よく出てくる例:
- ジーフリト(ジークフリート)
- プリュンヒルト(ブリュンヒルデ、ブリュンヒルド)
使われている作品についてはほぼ北欧神話と同じ。
アーサー王物語
これもよく出てくる。いろんなところで。
- アーサー
- モルガナ(モーガン・ル・フェイ)
- パーシヴァル
- ランスロット
- エクスカリバー(武器)
北欧神話っぽい作品に突然「エクスカリバー」とかいう武器が出てきたりもする。
出てくる作品例:作品例も何もとりあえず「エクスカリバー」が出てきてる作品全部これ使ってると言っても過言ではありません。
聖書
天使やら悪魔やらの出典の多くはここからです。
よく出てくる例:
- ウリエル
- ミカエル
- ルシファー
- アスタロト
- アダム
- イヴ
七つの大罪
キリスト教の概念。なのだが、地味によく出てくる。
日本語そのままで出てくることもあるが、ラテン語で出てくることも多い印象。たま~に英語もある。
- 憤怒(イーラ)
- 傲慢(スペルヴィア)
- 嫉妬(インウィディア)
- 強欲(アワリティア)
- 暴食(グラ)
- 色欲(ルクスリア)
- 怠惰(アーケディア)
出てくる作品例:ゼノブレイド2、幻想神域、セブンスダークなど
インド神話
ちょっとマイナーかもしれない?インド神話。
といってもスマホゲー界ではメジャーです。
よく出てくる例:
- シヴァ
- ヴィシュヌ
- ガネーシャ
エジプト神話
ギリシャ北欧の次に名前をよく見かける神話。
北欧メインの世界観にしれっと入っていることも珍しくない。
よく出てくる例:
- ラー
- バステト
- イシス
- メジェド
日本神話
和風?何それおいしいのって作品でもよく出てくる不思議
よく出てくる例:
- アマテラス
- ツクヨミ
クトゥルフ
神話…なのか?
こちらも結構よく見かけますね。
よく出てくる例:
- ハスター
- クトゥルフ
- ニャルラトホテプ(ナイアーラトテップ)
- ダゴン
とりあえずよく出てくるのはこれくらいか。
結構量があるなあ…
ここから本題
神話よく知らねえよって人もだいたい神話の固有名詞どんなのがあるか理解できたと仮定して
いろんな作品の「固有名詞の使われ方」をちょっと見ていこうと思います。
例1:ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか
「神」の名前として各国神話の神の名前が使われています。
ヘスティア(ギリシャ)、ヘファイストス(ギリシャ)、ロキ(北欧)、フレイヤ(北欧) 、アポロン(ギリシャ)、ガネーシャ(インド) などなど数をあげるときりがないです(そりゃそうだ)。
「ダンまち」は元ネタを尊重してくれている方だと思います。ちゃんと「神」として出してくれているだけでも嬉しい。
例2:パズルアンドドラゴンズ
さてここからスマホゲー。
スマホゲーの宿命として、「キャラをずっと出し続けなければならない」というものがあります。
おそらく上記例のほぼすべてが出てきていると言ってもいいと思います。
かながプレイしていたのは2014年くらいまでなのでそれ以降のことは知りませんが、2014年段階で
- ギリシャ・ローマ
- 北欧
- 聖書
- インド神話
- エジプト神話
- 日本神話
は出てきてました。
ここから神話に興味持ったぜって人もいると思います(筆者の雑感です)。
余談ですが、かつてガンホーが運営していたネトゲ「エミル・クロニクル・オンライン」では「クトゥルフ系」が登場していました。
例3:グランブルーファンタジー
こちらもスマホゲー。
使われている例をざっくりあげると
- ギリシャ・ローマ
- 北欧
- ニーベルンゲン伝説
- アーサー王物語
- 聖書
- 七つの大罪
- インド神話
あたりはよく出てきてますね。
余談ですが、グラブルにはとても面白い?傾向がありまして。
「神の名前がつけられているキャラは、たいてい神撃のバハムート出身である」という特徴?があります。ゼウスとかオーディンとかね。
神話の名前は関係がなくとも使われる
さて、ここまで例を見て何となくわかったと思います。
ダンまちはかなりましな例です。原作リスペクトしてくれています。
問題はスマホゲー。
名前を借りた「だけ」のキャラが非常に多い。ときに神話の設定を崩壊させている例も見られる。今回例には出していないが、北欧系の作品に突然エジプトが出てきたりもする。
神話の設定を崩壊させるくらいなら、新しいキャラを出した方がいいとは思うのですが…(よく見られるのは男性の神が女性になっている例)。
原作厨もとい原作ファンから苦情がついたりもします。
「この神話のキャラこうじゃない」って。
せめて、世界観にあった神話を使ってほしいものです。そしてできれば、その神話での設定を生かしたキャラ付けをしてほしい(時の神なら時の力を持っている、など)。多くの作品では神話の設定を無視したキャラづけがされていることが多いのも現実です。それが、原作ファンからの苦情につながります。
そして見ればわかりますが、多くの作品で使われている以上、「キャラ被り」が発生します。
「いらすとや」のイラストを使って作っているサイト、テレビ番組、広告がいくつあるでしょうか?
おそらくあなたは数えきれないほど見たことがあるはずです。
原作厨うぜえって思うかもしれない。
でも、原作をリスペクトしない制作陣にも問題があります。
名前を借りている以上、元の設定をきちんと生かしてほしいものです。
「原作厨乙」とたたく前に「神話の固有名詞がどのように使われているか」を考えてみてほしいかなでした。